■身体的影響

コカインが身体に与える影響としては次のことがあげられます。

脳・神経系統に対して;
コカインは、中枢神経に作用するためさまざまな意識障害や、幻覚・妄想、記憶力の低下、痙攣などをを引き起こします。また、脳内出血、脳卒中、動脈狭窄、動脈破裂、精神系統の各種発作を生じさせます。呼吸や心拍をコントロールする脳の機能を破壊しますので呼吸困難などにより死を招く危険性もあります。

肺に対して;
体液の蓄積、コカインの蒸気を吸引した事による肺の充血、咳、肺や喉の痛みなどの発生など。

胃に対して;
食欲減退、胃痛、はきけ、嘔吐など。

心臓・血管に対して;
心臓に対しては、血液中の酸素不足、細胞の異常、心拍の上昇、脈拍の停滞による不整脈、心不全、胸痛、心臓発作。血管に対しては、収縮、血圧の急上昇、狭心症が生じます。

鼻腔に対して;
コカインを、鼻腔内吸引すると、常習的使用者では鼻の粘膜に腫瘍をつくる危険性がありますが、時折使用するといったケースでは鼻詰まりや鼻水がみられます。これらの鼻腔内炎症は嗅覚の麻痺や副鼻腔性頭痛を引き起こします。

生殖器官に対して;
性欲を亢進するほか、精子や月経に異常が起こります。妊娠中の使用では胎盤の早期剥離を引き起こしその出血のため、流産や早産の恐れがあります。また、生まれてくる子供には高率に心臓や腎臓の奇形などの身体障害や、精神障害が発生する危険性があります。

その他;
消毒の不完全な注射針の共有からは、肺炎やエイズに感染する恐れもあります。また、コカインの遊離化の作業では溶媒の使用が絡んでくるため、爆発による死傷自己が発生することもあります。その他にも、瞳孔の散大、発熱などを生じます。

脳内出血(脳溢血):
脳の小動脈が破れて、脳皮質に出血が起こる病気。破れた血管から血液の供給を受けている脳組織が破壊されるとともに、流れ出た血のかたまり(血腫)によっても、まわりの脳組織が圧迫されて障害をおこします。

脳卒中:
脳の血管の病気によって急激に意識がなくなり、手足の運動麻痺をともなう病気。

不整脈:
安静にしている時の成人の心臓は通常、1分間に60〜80回規則正しく拍動します。この心臓の拍動が乱れ、脈の打ち方が乱れる状態が不整脈です。突然死の中には不整脈が原因である場合もあります。

心不全:
血液を送り出すポンプとしての心臓の働きが低下し、十分な血液を全身に送ることができなくなる状態が心不全です。突然息苦しくなったり、呼吸困難に陥ったりするため、突然死を招くことにもなります。

狭心症:
冠動脈の狭窄(内腔が狭くなった状態)がひどくなって、送られてくる血液量が極端に少なくなると、心臓を構成している心筋が一時的に酸素不足の状態になり、しばしば発作的な胸痛がおこります。これが狭心症で、胸部の広い範囲に鈍痛、圧迫感、締め付けられるような痛みなどを感じ、ときには、痛みが喉、顎、歯、腕などにまで広がります。これらの痛みの発作に不整脈が合併し失神する恐れもあります。

肺炎:
肺炎の症状としては、頑固な咳、それに伴う胸骨の痛み、激しい寒気と震え、熱などがあげられます。