■ヘロインの原料

 ヘロインは、「けし」(我国において法律で栽培が禁止されている「けし」は、1 パパヴェール・ソムニフェルム。2 パパヴェール・セティゲウム、3 パパヴェール・ブラクティアタムの三種類です)の液汁を集めて煮詰めて「あへん」を作り、そのあへんから「モルヒネ」を抽出し、モルヒネを化学的に化合してヘロインが作られます。

 ヘロインは吸煙したり経口摂取もできますが、多くの乱用者や中毒者達は注射器(それも手作りの簡単なもの)を使って注射します。少量の水でヘロインを溶かしますが、このとき、作業をし易くするために、にぎる把手の部分を折り曲げたスプーンを使用します。これをマッチやランプの炎にかざして、ヘロインを溶かす訳です。こうして溶かしたヘロインは一度脱脂綿濾してから注射器に吸い取るか、スポイトで吸い上げるかしたのち、既に血管に差し込んである注射器に繋いで、注射する、という方法です。(注射痕は腕から足先までのあらゆる場所や鼻、口の中、臀部や陰部などいたるところにみられます。)ベルトや紐などの細い長いものを使って止血帯をつくり、これで静脈を浮き立たせます。

 こうした静脈注射のほかに、皮膚を軽くツンと刺して皮下注射する場合もあります。(静脈)注射は乱用者の間では「メインライニング」(静脈を意味する俗語)と呼ばれ、高い金を出してやっと購入したヘロインを一滴たりとも無駄にせずに済み、而も最初に味わう快感が強力であることなどから、この使用法は彼らに最も好まれています。何年も注射を続けています静脈は破壊され皮膚は通常の注射が不可能なほど硬くなってしまいます。それでも彼らはハイな気分を求め、最後のあがきとして、皮膚を剃刀の刃で切り裂いて、まだ注射できそうな柔らかい静脈を模索します。