■覚せい剤の影響(身体)

覚せい剤が身体に与える影響としては次のことがあげられます。

脳に対して;
覚せい剤は中枢神経に作用するためさまざまな意識障害や、幻覚・妄想、記憶力の低下などをを引き起こします。その他にも痙攣を生じたり、脳溢血を起こす恐れもあります。

肺に対して;
水に溶けない不純物を含んだ覚せい剤の静脈注射をしますとそれが細い血管につまり肺機能障害を引き起こします。また、長期間の乱用でも致命的な肺疾患を生じます。

胃・肝臓に対して;
覚せい剤には食欲を抑制する作用があります。従って乱用を重ねると食欲不振は拒食症へと進行し、食べ物を全く受け付けなくなったり、体重が極端に減少し、物を飲み込むことさえ出来なくなったりします。そのため、十分な栄養が得られないので免疫性も低下し、細菌感染などが生じ易くなり、諸々の疾病も現れます。この他にも、覚せい剤に混ざられている有毒な混和物に対する拒否反応として、胃痛、はきけや嘔吐を生じることがあります。

腎臓に対して;
覚せい剤の一種「アイス」を長期間使い続けますと致命的な腎機能不全が生じます。「アイス」は非常に中毒性が高く、そのうえ、実に悲惨な副作用をもたらすのです。

眼に対して;
覚せい剤は瞳孔を散大させ、乱用を続けるとかすみ目も生じます。

心臓に対して;
心拍数、呼吸、血圧が上昇します。その結果、心不全、不整脈、胸痛などが起こり、ときには心臓発作を誘発します。

生殖器官に対して;
精子や月経の異常、先天異常が生じます。

その他;
覚せい剤の効果が切れたときに生じる極度の疲労感から、頭痛、動悸、目眩が起こります。また、クスリにより覚せいされますので不眠になり、自らを鎮静化させるためにバルビツレートと組み合わせて交互に使用する乱用者もいます。注射針からの感染では、ウィルス性肝炎による肝機能障害や静脈炎、エイズがあります。その他にも、非常な高熱や口の渇き、ふるえの発作、筋肉のアンバランスなどがあります。


脳溢血:
脳の小動脈が破れて、脳実質に出血が起こる病気。破れた血管から血液の供給を受けている脳組織が破壊されるとともに、流れ出た血のかたまり(血腫)によっても、まわりの脳組織が圧迫されて障害をおこす。

肺疾患:
肺の主要な役割としては、細胞でガス交換を行う、血圧の調整、血液の濾過などがあります。その肺が侵されると、肺炎や肺結核、肺気腫などを引き起こします。

拒食症:
拒食症が進行すると極度のやせが見られます。また、食べ物を受け付けなくなるため、栄養失調となり、女性の場合は月経が止まることもあります。

腎機能不全:
腎臓には血液を濾過する働きがあります。そのため、腎臓が正常に機能しないと、腎不全などを引き起こします。一度腎不全にかかると腎臓の働きが正常に戻ることはなく、尿毒症などの様々な症状をも引き起こします。

不整脈:
安静にしている時の成人の心臓は通常、1分間に60〜80回規則正しく拍動します。この心臓の拍動が乱れ、脈の打ち方が乱れる状態が不整脈です。突然死の中には不整脈が原因である場合もあります。

心不全:
血液を送り出すポンプとしての心臓の働きが低下し、十分な血液を全身に送ることができなくなる状態が心不全です。突然息苦しくなったり、呼吸困難に陥ったりするため、突然死を招くことにもなります。

肝炎:
肝臓には血液中に含まれる成分を代謝したり、排泄したり、解毒したりして生命と健康を維持する働きがあります。その肝臓が炎症を起こすと全身がだるくなる、食欲がなくなり吐き気をもよおす、黄疸などがあります。