[ バルビツレートの詳細 ]

■俗称    アミーズ(Amies)、バーブズ(barbs)、ブロックバスターズ(blockbusters)、ブルーバーズ(Bluebirds)、ブルー・デヴィルズ(blue devils)、ブルー・ヘヴンズ(blue heavens)、ブルース(Blues)、キャンディー(candy)、クリスマス・ツリーズ(Cristmas trees)、カレッジ・ピルズ(Courage pills)、ダブル・トラブル(double troble)、ダウナーズ(downers)、ダウンズ(downs)、グスター・ピルズ(gangstar pills)、ジー・ビー(G.B.次のグーフボールの頭文字)、グーフボールズ(goofballs)、グーファーズ(goofers)、ゴリラ・ピルズ(gorilla pills)、グリーン・ドラゴンズ(green dragons)、イーディオット・ピルズ(idiiot pillsイーディオットとは「バカ」のこと)、キング・コング・ピルズ(king-kong pills)、マシュマロレッズ(Marshmallowsreds)、メキシカン・レッズ(Mexican reds)、ネビー(nebbie)、ネミーズ(nemmies)、ネンビー(nembie)、ニンビー(nimny)、ピーナッツ(peanuts)、フェニーズ(phennies)、ピンク・レイディーズ(pink ladeis)、ピンク(pink)、パープル・ハーツ(purple hearts)、レインボウズ(raimbows)、レッズ(reds)、セッシー(seccy)、セギーズ(seggies)、スリーパーズ(sleepers)、スリーピング・ピルズ(sleeping pills)、スタンブラーズ(stumblers。クスリで脚をとられる)、トゥーティーズ(tooties、tootとはdrinking spree(宴会)などで、フラフラになることを意味する俗語)、イエロウ・ジャケッツ(yellow jackets)、イエロウズ(yellows)

■一般名及び臨床医学上の名称

 アモバルビタール(amobarbital)、クローラル・ハイドレート(chloral hydrate)、クロールジアゼポキサイド(chlordiazepoxide)、ダイアゼパム(ジアゼパム。diazepam)、フルラゼパム(flurazepam)、グルテチミド(glutethimide)、塩酸メサコロン(メタカロン。methaqualone HCL)、メプロバメート(meplrobamate)、オキサゼパム(oxazapam)、フェノバルビタール(phenobarbital)、ペントバルビタール(pentobarbital)、セコバルビタール(secobarbital)、(以下は臨床医学的名称。いずれも商品名)アミタル(amytal)、ブチソール(Butisol)、デプロール(Deprol)、イクオニル(Equanil)、ゲモニル(Gemonil)、リブリウム(Librium)、メドミン(Medomin)、ネンブタール(Nembutal)、ノクテック(Noctec)、プラシディル(Placidyl)、クオルード(Quaalude)、セコナル(Seconal)、チゥイナル(Tuinal)、ヴァリウム(Valium)

■バルビツレートの3タイプ

 バルビツレートは、バービトゥリック・アシッド(バルビツレール酸)を含有し、中枢神経(CNS)を抑制する鎮痛・睡眠薬です。種類は長時間持続タイプ、中時間持続タイプ、それに極短時間タイプの三種類があります。  短時間内での作用は、バルビツレートと近い関係にある中枢神経抑制剤であるアルコールとは作用が類似しています。不安や緊張を解きほぐして穏やかなリラックスした状態が作られます。そうした感情は次第に薄れて、酩酊感の中に消失してゆき、一切のこだわりから解放されます。使用者は発音も不明瞭となり、自ら作り上げた虚構の世界で筋肉は恰もゴムのように感じられて安定しません。外部からの反応は、まるで幽霊(ゾンビ)のように極めて緩慢になります。こうした状態で睡眠状態にはいると、やがて目覚めたときには二日酔いの状態になります。

 長時間、常に睡眠薬を使用していると、慢性症状が現れます。つまり、いつも気怠くウトウトした状態、記憶や注意力を集中していられる幅が短くなり、意識性も筋肉の機能も低下します。感情は不安定となり、分別を欠くようになり、吐き気を催し、不安やイライラが昂じ、不随意な目の動きを示し、ヨロヨロした足取りとなり、発音は不明瞭、そして手足は震えがおさまりません。偏執狂的妄想や周辺への反抗的姿勢が益々高まるその先は、睡眠薬独自の症状、つまり、「凶暴性」が待ち受けているのです。

 常習的に使用していきますと耐性が生じます。同じ効きめを得るために更に多くのクスリの量を必要とする状態が続き、次第に肉体的にも精神的にも依存性が出来あがってゆくのです。耐性が高まってゆきますと、致死量は変わらないのですが、使用量が随時増加してゆくため、結果として常習的使用者の使用量が死亡事故を招くことになります。一般的に致死量は、正規の処方量の10倍の量であると言われています。

 一種類だけでも中毒性の高いものでありますが、これが他の鎮痛剤と併用されたとき、その危険性は何倍にも膨らみます。アルコール、麻薬類、各種トランキライザー、非バルビツレート系鎮痛催眠剤等との併用は、過量摂取(オーヴァードース)事故の可能性を非常に高めることになります。こうした物質の相乗作用が、中枢神経の働きを抑制し、心臓や呼吸器の機能を著しく低下させ、そして中止させてしまう恐れさえあります。就中、「アルコールと鎮痛薬との併用は致命的となること」をしっかりと認識する必要があります。アルコールが睡眠薬による抑制作用を強化し増幅する潜在的な力を持っているからです。こうした併用がもたらす死亡はアメリカでは年間3,000件を上回っており、うち42%は自殺で、残りは過量摂取による死亡事故か、他の薬物との複合的使用による死亡事故となっております。一番危険なことは、鎮痛剤の効果で前に服用した薬の量もろくに思い出せない状態になり、知らず知らずのうちに、致死量を越えて使用してしまい、死に至ることがあるのです。

注意;過量摂取(オーヴァードース)事故は、病院において然るべき治療を施す必要がありますが、緊急時、救急隊員の到着までの間は、患者を絶対に眠らさないようにしてください。また、コーヒーを与えるのも禁物です。何故なら、消化器官にとどまっている睡眠薬が消化管からの分散吸収を促進してしまう働きがあるからです。また、アンフェタミン類(覚せい剤)を与えるのも危険です。こうした組合わせが、ときには死を招くからです。


[ クオルード/マンドレックスの詳細 ]

■俗称

 ルード(Lude)、クオイ(Quay)、クォード(Quad)、ソウプス(Soaps)、ソウパー(Soper)、ナナ・イチ・ヨン(714's)、マンドレックス(Mandrex)

 鎮痛・催眠剤として作られている「クオルード」は、医師の指示通りに使用している限り安全かつ有効な薬です。正規に製造されたこの薬が、あまりにも多量に不正ルートに流出しているため、アメリカの食品医薬品局(FDA)と麻薬取締局(DEA)とは、製造割り当て量を漸次削減させているほどです。そして「メタカロン」(Methaqualone)(クオルード。メタカロン又はメサコロンは商品名で、クオルードと同じです。)の製造元では、遂に1984年にこの薬を特別の法規のもとに医療用として認めてはいますが、乱用の危険性を大きいクスリでもあります。

 現場で最もよく見かけるメタカロンは「マンドレックス」(Mandrex)(商品名)です。もともとメキシコ性のクオルードであるこのクスリには一定した使用量もないため、使用者にとっては非常に危険です。製造元は作ることには懸命ですが、使用量は気にしていない、といったところでしょうか。通常は錠剤かカプセルの「マンドレックス」ですが、ときとして、溶かして直接注射されることもあります。

■作用

 本来メタカロンは、鎮痛・催眠剤として処方される薬ですから、その作用は感情を鎮め、眠気を誘い、多幸感をもたらすもの(これを薬物乱用者の符丁では「ルーディング・アウト」と言います。「ルーディング・アウト」"luding out"とは、気の抜けたポーっとした状態のこと)です。過量の使用では、幻覚や不安などが現れるほか、非常に警戒しているような様相を呈したり、手足の痺れや耳鳴りを生じたり、自分が不滅であるという感覚が生じたりします。多量に使用しますと、震えを生じたり、睡眠のパターンが極端に変化を見せたりします。

■その他の危険性

 多くの乱用者が、過量摂取(オーヴァードース)によって自殺を図っています。心臓や呼吸器のショックなどにより死に至ることもあります。中毒による禁断症状では、頭痛、食欲の減退、悪心、寝付きの悪さ、幻覚、過度の緊張などが見られます。痙攣発作も生じることがあります。メタカロンがアルコールや他の薬物と併用されたとき、その反応は更に大きな危害をもたらす恐れを生じます。