[ デザイナー・ドラッグズ(DESIGNER DRUGS)の詳細 ]

■作用

 違法な薬物であるか否かは、その物質の化学構造式によって定められています。こうした法的規則を逆手にとって、これを出し抜く目的から、密造者は「違法」とされている薬物の分子構造の一部を別の物に置き換えて「デザイナー・ドラッグズ」として知られる一種の類似薬物をつくるのです。こうして作られた薬物は、その元になった薬物の数百倍も強力な物である場合もあり得るのです。

 これらの麻薬類似薬物を製造する際のほんのちょっとした間違いからは、パーキンソン病に見られるような症状・・・・制御できない振戦(=震え)、呂律の回らない話し方、麻痺、そして再生不良の脳障害などをもたらします。

 アンフェタミンやメタンフェタミンのアナログ(疑似薬物)では、悪心、かすみ目、寒気や発汗、失神などを起こします。精神的な作用としては不安、抑うつ、偏執などの症状が含まれ、たった一回の使用でも脳障害の原因になり得ます。また、フェンサイクリディン(PCP)のアナログ(疑似薬物)では、幻覚、精神錯乱知覚異常などを引き起こします。

■通称

 アダム(Adam)、エヴ(Eve)、エクスタシー(Ecstasy)、XTC、チャイナ・ホワイト(China white)、エッセンス(Essence)、MPTP、MPPP、TCP、PCPy。

■デザイナー・ドラッグ(疑似麻薬)が最初に発見されたのは1979年カリフォルニアで、二人のヘロイン中毒者が死体で発見されたときのことです。彼等の死体の近くにはヘロインに似た粉末の入ったパケ(パケは「包み」。麻薬など薬物の末端密売用の小さな包みで、アルミフォイルかポリマーでできている場合が多い)が幾つか落ちていました。最終的にこの物体の正体が、DEAによって判定されるまでに、同様の死亡事故が更に13件発生しております。結局、DEAの判定は、外科手術によく用いられる麻酔剤であるフェンタニルのアナログ・ヴァージョン(疑似物として作成した物)でした。これらのデザイナー・ドラッグ(疑似薬物)の多くはヘロインの代用として作られたものですが、ヘロインよりずっと強力で、しかももっと長い効き目があります。

 デザイナー・ドラッグは密造所で製造されています。安上がりに作れますので、乱用者にとっては非常に強い影響を及ぼします。こうした密造所の化学者連中は、合法な物質や非合法な物質の分子構造の一部に手を加え、現在のアメリカの国内法では明確に「違法な物質」と定義されていないような、新たな物質を作りあげているのです。そこに潜んでいる危険性は、このほんの僅かな構造上の変更により、本来は「ハイ」な気分にさせる物を、たちどころに悲劇的な死をもたらす物へと変えてしまうという点にあります。

 フェンタニルの場合は、今までに7種類のアナログ・ドラッグ(疑似薬物)が作られています。その内のある物は実にヘロインの50〜3,000倍も強力なものであり、米国政府の禁止法は速やかに執行される見込みです。しかし、乱用者達は、法執行より一足先にその薬物の高度な危険性を承知しつつあるため、最早このクスリは乱用の現場から姿を消しつつあるのが実態です。

 もう一つの疑似薬物であるMPTPですが、多くの乱用者の間でパーキンソン病様の症状が現れています。これらの人々は20歳から40歳で、体は硬直し動かすことさえできず、回復の見通しは殆どありません。