■有機溶剤の治療成績

 全国的に見て、比較的多くの薬物依存者の治療を受け持っている10施設の精神病院に入院治療して、退院後2〜4年経過した時点における治療成績を見ると、余り良くない。

 一般に精神病院に入院してくる有機溶剤依存者は、20歳を過ぎても有機溶剤依存から抜け切れず、幻覚や妄想などを症状とする有機溶剤精神病を発現している事例が4割程度と多いのである。291名の有機溶剤関連の患者のうち、<死亡>12名(うち自殺9例)、<服役中>15名、<精神病院入院中>32名、<家庭で生活しほとんど仕事(学校)に行かない>3名であり、これらの合計84名(28.9%)が成績不良である。一方、成績良好は、<家庭で生活し、ほとんど休まず通勤(通学)>61名、<単身で生活し、ほとんど休まず通勤(通学)>24名であり、これらの合計85名(29.2%)である。

 以上から、青少年期という人格発達の重要な時期に有機溶剤に絡んで、20歳を過ぎても依存から脱却できないと、社会参加することも難しいことが分かる。