医薬品を始めとする薬物についての正しい知識を持つことがその乱用防止の第一歩となります。そして何より必要なのは「ことわる勇気」なのです。どんな誘惑にあっても「ことわる勇気」のある人間であれば絶対に恐くない。薬物とはそういうものです。"YES TO LIFE, NO TO DRUGS"この言葉は「愛する自分を大切に。薬物乱用は『ダメ。ゼッタイ』」ということなのです。

■麻薬・覚せい剤Q&A

Q1 麻薬や覚せい剤は、魔の薬といわれていますがなぜですか。

Q2 覚せい剤はなぜ乱用されているのですか。

Q3 覚せい剤を使用すると行動面や身体面にどのような変化がありますか。

Q4 覚せい剤犯罪はどのくらいあるのですか。

Q5 大麻の乱用による危害はどのようなものですか。

Q6 麻薬・大麻・覚せい剤には、どんなものがありますか。

Q7 コカインとはどのようなものですか。

Q8 向精神薬とはどのようなものですか。また、乱用による危害はどういうものですか。

Q9 麻薬や覚せい剤に対してはどのような法規制が行われていますか。

Q10 もし自分の周りの人が覚せい剤を使用している疑いがあるときはどうしたらいいのですか。



















Q1 麻薬や覚せい剤は、魔の薬といわれていますがなぜですか。

A 麻薬や覚せい剤は乱用すると、個人だけでなく社会全体にも計り知れない害悪をもたらす非常に危険な薬です。  麻薬は、長期に使用するとやがて麻薬なしではいられない状態即ち麻薬中毒となります。そして、麻薬を入手するためには、窃盗、詐欺、売春などを平気で犯すようになります。また、覚せい剤を使うと眠気や疲労がとれたように感じますが、これは一時的に疲労感が消失するだけで、肉体的に疲労が回復するわけではありません。そのため覚せい剤が切れると前にも増して激しい疲労におそわれ、これから逃れるため、また使用するようになります。このくり返しにより使用量も増え、いらだったり、不安、被害妄想などの中毒症状があらわれます。そして、妄想や幻覚によって殺人、放火等の重大犯罪を起こすこともあります。また、覚せい剤の影響により精神病のような状態が長く残ることがあります。

















Q2 覚せい剤はなぜ乱用されているのですか。

A 覚せい剤乱用者の多くは、ほんのちょっとした好奇心から安易に使い始めています。この背景として、(1)覚せい剤の弊害の恐ろしさが十分に理解されていないこと、(2)覚せい剤は精神依存が極めて強いため、ひとたび乱用を始めると自分ではなかなかやめらなくなってしまうこと、(3)覚せい剤の取引による利益を資金源としている暴力団が覚せい剤を言葉たくみに勧め大量に供給していること、などがあります。
 わずか一時の好奇心のために一生を台なしにしてはなりません。乱用を始めてからでは遅いのです。誘われてもはっきり断る勇気をもつこと、それが乱用者とならないための最善の方法です。
















Q3 覚せい剤を使用すると行動面や身体面にどのような変化がありますか。

A 覚せい剤を大量に使用した場合には、不眠、多弁、頭痛、発汗、血圧上昇、瀕脈、散瞳、口渇、食欲減退等の作用のほか、急性中毒症状として精神病に類似した症状を起こすことがあります。すなわち、まず頭がはっきりし過ぎ、何にでも関心をもち、周囲のことに気が散り、じっとしていられなくなり、不安気分が形成されます。次いで、この不安を起こすものが外界に実存すると思うようになり、幻覚、妄想(病的な状態から生じた誤った判断)が生じてきます。
 覚せい剤を反復使用することによって、耐性が上昇し、薬物依存が形成され、慢性中毒の精神症状が現れてきます。慢性中毒者の多くは中毒性精神障害を来たし、人によっては、覚せい剤の使用を止めても後遺症として精神障害が持続することがあります。
 覚せい剤の中毒により「自分を殺そうとだれかが狙っている」、「誰かが電波を飛ばし自分にいたずらしている」、「追いかけられている」、「見張られている」、「悪口を言われている」というような妄想や幻覚を生じ、

1. 自分が殺されると妄想し居合わせた知人を殺傷した例
2. 妻が浮気をしたと邪推し妻を包丁で切りつけた例
3. 家に電波が当たるという妄想から家に放火した例
4. 家族が自分を罪におとしいれようとしているとの被害妄想から、家族に刀剣で切りつけた例等が報告されています。

覚せい剤の常習者は、一般に次のような特徴があります。
1. 腕や腿などに注射の痕がある。
2. 注射器や小さなビニール袋等に入った白い結晶状の粉末などをもっている。
3. 金使いが荒くなったり、不良仲間と交際する。
4. 怒りっぽくなり、突発的に暴力をふるう。また、「誰かが見張っている」等の一貫性のない行動が見られる。
5. シャブ、ヤク、ネタ、アンポン、ポン等の隠語を使う。
6. 顔色が悪くなり、やせてくる。
7. 夜ふかしをするようになる。
















Q4 覚せい剤犯罪はどのくらいあるのですか。

A 覚せい剤犯罪は図に示すように、昭和45年から急激に増加し始めましたが、昭和55年以降2万人を越えていた検挙者も平成元年からは、1万5〜6千人台で推移しており、平成7年には1万7千人台となっています。このように覚せい剤犯罪は高水準にあり、深刻な社会問題となっています。
















Q5 大麻の乱用による危害はどのようなものですか。

A 大麻はテトラヒドロカンナビノール(THC)などの幻覚作用を持つ成分を含んでいるため、心身に悪影響を及ぼします。
 大麻を乱用すると、感覚が異常になり、幻覚・妄想やわけのわからない興奮状態に陥ったりします。乱用していると、無動機症候群といって、毎日ゴロゴロしていて何もやる気のない状態になったり、知的機能障害や大麻精神病に陥ったりします。
 また、乱用によって生殖器官に異常を起こすなど様々な身体障害を生じます。

















Q6 麻薬・大麻・覚せい剤には、どんなものがありますか。

A 麻薬には、
      1. けしからつくられるもの・・・あへん、モルヒネ、ヘロインなど
      2. コカ葉からつくられるもの・・コカイン、クラックなど
      3. 化学的に合成されるもの・・・LSD、MDMAなど
  があります。
 大麻には、大麻草からつくられる大麻タバコ、大麻樹脂などがあります。
 覚せい剤は、メタンフェタミンとアンフェタミンとがあります。不正に使用されている覚せい剤は、そのほとんどがメタンフェタミンで、形状は、白色半透明の結晶状ですが、なかには、小さなプラスチック容器に入った水溶液や、黄色の錠剤もあります。これらはそのほとんどが密輸品で、乱用者の間ではシャブ、ポン等の隠語で呼ばれています。
















Q7 コカインとはどのようなものですか。

A コカインは白色の粉末で、粉末を鼻から吸引したり、煙にして吸引したり、注射したりして乱用されます。
 コカインの作用は覚せい剤と非常に似ており、使用すると疲労がとれたように感じますが、効果が切れると落ち込んだ状態になるため、くり返し使用するようになります。この状態が続きますと、妄想や幻覚などがあらわれます。
 また、一度にコカインを多く使用しすぎると、心臓発作、脳内出血、けいれん発作、呼吸困難などを起こし、死にいたることもあります。妊娠中にコカインを使用した女性では、胎盤の早期剥離を引き起こし、出血により母子の生命が脅かされることがあります。また、これらの女性から生まれた新生児では、高率に心臓や腎臓などの奇形が見られることも報告されています。
















Q8 向精神薬とはどのようなものですか。また、乱用による危害はどういうものですか。

A 「向精神薬」とは、睡眠薬、精神安定剤等、精神機能に作用する薬物で乱用される恐れがあるが、麻薬、覚せい剤と比較した場合には有害性の程度が低いものです。向精神薬は医療上有用な物ですが、医師等の監督のもとを離れて長期乱用すると、やがて自ら使用を止めることが困難な状態となります。このような状態になると、怒りやすくなる、判断力が鈍くなる、感情が不安定になる、歩行失調になる等、心身への障害が生ずるようになります。物によっては、使用中断により、けいれん発作、幻覚、妄想、不安等の禁断症状を呈します。
















Q9 麻薬や覚せい剤に対してはどのような法規制が行われていますか。

A 麻薬・覚せい剤等の規制に関しては麻薬及び向精神薬取締法、大麻取締法、あへん法、覚せい剤取締法があり、麻薬や大麻、覚せい剤等を輸入したり、製造したり、あるいは有償・無償を問わず他人に渡したり、他人から受け取ったり、所持したり、使用したりすると厳しく罰せられます(例えば、単に覚せい剤を所持していた場合ー10年以下の懲罰)
















Q10 もし自分の周りの人が覚せい剤を使用している疑いがあるときはどうしたらいいでしょう。

A 自分達だけで悩まないで最寄りの麻薬取締部または各都道府県の薬務主管課にご連絡ください。
 麻薬取締部では、このような問題を抱えて悩んでいる人のために麻薬・覚せい剤相談電話を設置してベテランの担当官が相談にあたっています。
 麻薬や覚せい剤の乱用者を立ち直らせるためには家族や周囲の人たちの妥協を許さない毅然とした態度が必要です。