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■薬物乱用防止教室の実践例

 私が学校薬剤師を務めている八王子市内の小中一貫校では、小学5年生から中学3年生まで学年毎に、喫煙防止・薬物乱用防止教室を実施しています。

児童・生徒が主体的に取り組みながら、喫煙や薬物の誘因に適切に対処できる能力を身に付けることを目的として、まず、知識教育として喫煙・薬物乱用に関する講義を行い、そのあとに、小グループ討議(Small Group Discussion以下SGDと記載)を取り入れたワークショップ(WS)形式の能動的学習(修得した知識を問題解決に応用する能力の獲得と、それを行動に移そうとする態度の変容を主眼とする)を行います。
そのため、学校側から2時限の枠を提供してもらうことが前提になります。


■1時限目:
知識の伝達を行う講義を行います。小学5年生から中学3年生までの講演内容の概要は、以下の通りです。

  1. 1:小学5年生 
    喫煙防止教室
    (タバコの害、ニコチン依存、受動喫煙などについて)

    2:小学6年生
    薬物乱用教室
    (薬の正しい使い方、アルコールの害、薬物乱用とは、乱用薬物、薬物依存などについて)

    3:中学1年生
    煙防止教室
    (小学5年生の内容をさらに詳しく 社会問題としての受動喫煙、世界の喫煙事情などについて)

    4:中学2・3年生
    薬物乱用教室
    (薬物乱用、薬物乱用の歴史と現状、依存の仕組み-脳内報酬神経回路を中心に-、フラッシュバック、薬物乱用の社会的影響、危険ドラッグ、世界の大麻事情と大麻の害、中高生を取り巻く社会環境と乱用薬物などついて)
    講演内容については、あくまでも例示ですので、様々な組み合わせやここに挙げていない内容が含まれていても構わないと考えます。講義内容について採用すべきものかどうか迷う場合は、学校側とも十分に協議をしてください。また、写真や動画を取り入れることにより関心、印象度はさらに深くなります。小学生では35分~40分くらい、中学生では40分~45分程度を目安にして構成すると良いでしょう。

    ■2時限目(小学生は45分、中学生は50分):
    クラス毎にWS形式の授業を行います。クラス毎にチューターとして薬剤師が入り授業を進めます。各クラスの担任、養護の先生には進行の補佐役として参加してもらいます。クラスの中には、対応が難しい児童・生徒がいることがありますので、そのような子供たちを上手くコントロールしてもらうことで授業の進行がスムーズになります。 ワークシートを用いて、ワークシートの中の主人公になって自分の意見を記入していきます。

    小学5・6年生の授業は、時間に余裕がありますので、クイズ形式で先の講義内容の振り返りをしてから進めても良いでしょう。



    中学生のワークシートは日本学校保健会のホームページに掲載されている中学生用教材を一部改変して作成しています。

    ※各シートは最終ページからダウンロードできます

    自分の意見(自分の行動)の記入が終わりましたら、グループに分かれてワークシートと同様の内容でグループのメンバー全員で討議をしながら、どのような行動を取ることが一番適切かコンセンサスを取りながらグループとしての意見としてまとめて発表をしてもらいます。

    グループ討議の際には、司会進行、記録、発表の3役を決めてそれぞれの役割を説明します。特に司会進行役は、グループ全員が討議に参加してグループの意見をまとめることが大切であることを伝えます。また、それぞれの項目に記入する時間をあらかじめ伝えて、時間内に記述するよう促すことも重要です。(個人の意見を記入する際にも時間内に記入するよう伝えます)項目ごとに記述に要する時間を分単位で進めないと授業時間内に終わりませんので、チューターはそれぞれの作業の時間配分を考えながら授業を進めてください。最後に、各グループの討議の結果を模造紙に記入して発表してもらいます。

    参考までに中学2年生の授業の進行スケジュールをTable1に示します。

    分刻みのスケジュールですが、すべての生徒が、自分の意見を記入、討議をしてグループ毎の意見をまとめる作業を、こちらの示した時間内で行うことは難しいのが現実です。
    生徒たちの取り組みの姿勢などを見ながら、時間調整をしたり、作業の進行を促すことが必要です。