意識調査 |
データ
■大麻乱用者の実態(警察庁:令和6年における組織犯罪の情勢/令和7年4月) |
令和6年10月から同年11月にかけて、大麻取締法違反(単純所持)で検挙された者のうち、889人について、捜査の過程において明らかとなった大麻使用のきっかけ、動機、大麻の入手先を知った方法等を取りまとめた結果は、次のとおりである。 ※図表1で対比した平成29年については、平成29年10月から同年11月までの間に大麻取締法違反(単純所持)で検挙された者のうち、535人について取りまとめたもの。 |
○ 大麻を初めて使用した年齢 対象者が初めて大麻を使用した年齢は、20歳未満が49.4%、20歳代が31.9%と、30歳未満で8割以上を占める(最低年齢は11歳)。 初回使用年齢層の構成比を平成29年と比較すると、20歳未満が36.4%から49.4%に増加しており、若年層の中でも特に20歳未満での乱用拡大が懸念される。 |
![]() |
![]() |
○ 大麻を初めて使用した動機及びきっかけ 大麻を使用した動機は、「好奇心・興味本位」が最多で、「その場の雰囲気」と合わせると、いずれの年齢層でも5割以上を占める。大麻を初めて使用したきっかけは、いずれの年齢層でも「誘われて」が約6割を占める。 |
![]() |
![]() |
○ 大麻の入手先(譲渡人)を知った方法 検挙事実となった大麻の入手先(譲渡人)を知った方法は、30歳未満では「インターネット経由」が4割以上を占め、このうち9割以上がSNSを利用しており、近年、SNSが急速に普及したことにより、これまで以上に大麻の入手が容易になっている状況がうかがえる。 「インターネット以外の方法」では、大麻の入手に「友人・知人」が関与しているケースが全体の約6割を占め、20歳未満では7割を超えるなど、年齢層が下がるほど、その傾向が顕著である。 |
![]() |
![]() |
![]() |
○ 大麻に対する危険(有害)性の認識 大麻に対する危険(有害)性の認識は、「全くない」及びは「あまりない」の割合が65.5%で、覚醒剤に対する危険(有害)性の認識と比較すると、著しく低い。 一方で、前回調査(令和5年10月から同年11月までの間に大麻取締法違反(単純所持)で検挙された者のうち、1,060人について取りまとめたもの。以下同じ。)と比較すると、「大いにあり」及び「あり」の割合が25.1%と、10.7ポイント増加している。 なお、大麻に対する危険(有害)性を軽視する情報の入手先については、いずれの年齢層でも、「友人・知人」及び「インターネット」が多く、年齢層が低いほど、「友人・知人」の占める割合が高い傾向にあるほか、「インターネット」の占める割合は、20歳代が最も高い。 |
![]() |
![]() |
○ 感じている大麻の魅力 大麻乱用者が感じる大麻の魅力は、いずれの年齢層においても「精神的効果」が最多となっており、年齢層が高いほど、その割合が高い傾向にある。 一方で、30歳未満の若年層においては、SNS上に氾濫する「依存性が低い」といった大麻に関する誤った情報や大麻の入手方法の容易さに魅力を感じている者の割合が、30歳以上の壮年層と比べて高く、SNSの普及が若年層における大麻乱用拡大の一因となっている状況がうかがえる。 |
![]() |
今回の実態調査によって、前回調査に引き続き、大麻を使用し始めた動機やきっかけ、入手先、危険(有害)性に関する誤った認識の形成等、様々な面で30歳未満の若年層の多くが身近な環境に影響されている実態が改めて裏付けられた。
|
■薬物事犯データはこちら |