普及啓発活動
「ダメ。ゼッタイ。」普及運動
2022年度普及運動の展開
麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動
指導者育成活動
薬物乱用防止教室の開催について/講師派遣について
国際協力活動
「ダメ。ゼッタイ。」国連支援募金運動とは
UNODCへの寄付
麻薬委員会サイド・イベント
2024年
2023年
2022年
調査研究活動
2022年度研究活動
2021年度研究活動
2020年度研究活動
2019年度報告書
広報活動
広報誌「ニュースレター」最新号
キャンペーンポスター一覧

医療用麻薬適正使用推進活動
がん疼痛緩和のための医療用麻薬適正使用推進講習会
お知らせ
開催日程・申込受付
活動の紹介
 

【国連麻薬委員会第66会期 サイド・イベント】



 

「ダメ。ゼッタイ。」国連支援募金30周年記念サイド・イベントの開催について

<開催趣旨>

 1993年より公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター(DAPC)が中心となり、日本国内で『「ダメ。ゼッタイ。」国連支援募金』として官民一体の募金活動を行ってきました。集まった募金は国際連合薬物・犯罪事務所(UNODC)を通じて、これまでに開発途上国延べ649カ国、780の薬物乱用防止プロジェクトに役立てられています。薬物乱用防止活動が不可欠であることを再確認し、さらなる手立て(方法と手段)を探るために、国連麻薬委員会第66回会期中に30周年記念サイド・イベントを開催しました。そこでは、この30年間の軌跡を振り返り、次世代を担う若者に向けて、薬物乱用防止活動の重要性とその活動は乱用の防止だけでなく、乱用に陥った者の早期発見、治療、教育、アフターケア、更生及び社会復帰までの措置が一体であることを伝え、さらに麻薬委員会に出席する各国代表者や民間団体に日本の取り組みを紹介しました。

【プログラム】

 令和5年3月14日、午前9時10分から午前10時までの間、オーストリアの首都ウィーンにある、ウィーン国際センター カンファレンスルームM3において国連麻薬委員会第66回会期中のサイド・イベントとして、公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターからの国連支援募金30周年を記念する日本主催の “Dame. Zettai.” 〔Never. Ever,〕 “Value yourself.” A high-level side event to commemorate the 30th anniversary of the DAPC Grants (「ダメ。ゼッタイ。」~愛する自分を大切に~ 国連支援募金30周年を記念するハイレベルサイド・イベント) が行われました。

 会場となったカンファレンスルームM3は、麻薬委員会が開かれる会議室の隣室で、当日午前10時から始まる麻薬委員会本会議の前に日本のサイドイベントが設定されました。
 カンファレンスルームM3は縦長のほぼ長方形の部屋で、前方には演壇が設置され、壇上の席及びそれに相面するように客席が配置され、席数は壇上の14席を含め全席数が218席、また壇の頭上には客席から見えるように大きなスクリーンが2面設置されていました。

 開演となった午前9時10分、壇上には客席に向かって右手から、当サイドイベントの司会者である広島県庁薬務課 平本春絵 主任、在ウィーン国際機関日本政府代表部 引原 毅 特命全権大使、公益財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター(DAPC)藤野 彰 理事長 、国連薬物・犯罪事務所(UNODC)ガーダー・ワーリー事務局長 、国際麻薬統制委員会(INCB) ジャグジッド・パバディア委員長 、厚生労働省監視指導・麻薬対策課 佐藤大作 課長が並び、相面する客席はほぼ満席の状況の中、DAPC藤野理事長の開会挨拶でサイド・イベントが始まりました。


■プログラム1:総理メッセージ・UNODCワーリー事務局長メッセージ
 まず引原特命全権大使より岸田総理大臣のメッセージが流される旨の紹介がなされた後、頭上のスクリーンにビデオメッセージが映し出されました。その中で岸田総理大臣は、

 「薬物乱用を未然に防止する活動や、不幸にして乱用に陥った方々に対し、社会復帰に向けた効果的な支援を講じていく活動は世代を超えて継続していく必要がある。若い世代の英知や自由な発想を結集して、画期的なアイディアが生み出されることを期待する。日本政府は薬物乱用防止の分野においても、国際社会と密接に連携していく。 」

 との力強いメッセージを発しました。


Youtubeで視聴

 この後、引原大使から、総理大臣のメッセージを受けて、「薬物乱用防止を含む世界の薬物問題に取り組むために、皆が市民社会やマルチステークホルダーに関与することが重要であり、このサイドイベントでの交流を通して、より効果的に問題に取り組むため、多くのことを学べると信じている。」とのサイドイベントに期待するコメントがなされました。さらにこれに続き、UNODCワーリー事務局長から、

 「UNODCは、若者による薬物乱用防止という私たちの共通の大義に対するDAPCの深い献身的な活動に感謝している。DAPCの惜しみない貢献により、ここ10年だけでもDAPCの助成金は世界のあらゆる地域において、55の低・中所得国での139のプロジェクトを支援し、おおよそ166,000人が直接的に、間接的には400万人がその恩恵を受けた。DAPCの長年に渡る支援に感謝するとともに、UNODCはDAPCとのパートナーシップをさらに何年も継続することを望んでいる。」

 とのメッセージが発せられました。

■プログラム2:ドキュメンタリー・クリップ
 国連支援募金の30年を振り返り、麻薬・覚せい剤乱用防止センターの成り立ちから、街頭での薬物乱用防止啓発活動・国連支援募金活動、日本から支援を受けた開発途上国の薬物乱用防止に立ち向かう姿などが含まれた動画が流されました。わずか3分余りの動画でしたが、30年の歩みがしっかり反映され、しばし会場内を魅了しました。


Youtubeで視聴

■プログラム3:DAPC 藤野理事長より提言
 DAPC藤野理事長による未来に向けた提言では、

 「国際社会は薬物乱用の予防が最も重要であるとし、予防に向けて条約の一部を改正した歴史的事実があり、さらに改正事項には予防に加え、不幸にして乱用に陥った者がいれば、早期発見から、社会復帰までの措置が一体であることを規定している。薬物はまさにポケットの中の大量破壊兵器となりうるから、それぞれの国が違った課題、問題があったとしても、なくなることのない犯罪を防止するために努力を続けるのと同様に、薬物乱用防止の具体的な取り組みを継続しなければならない。」

 と具体的な提言がありました。


■プログラム4:ユース・パネル
 「ユース・パネル」では、日本からの国連支援募金により、薬物乱用防止活動が行われているたくさんの国の中から4か国の団体、ラオスの「フレンズ・インターナショナル」、モンテネグロの「CAZAS」、ペルーの「CEDRO」、トルコの「トルコ・グリーン・クレセント・ソサエティ」を代表した若者4名が参加しました。


 また日本からは、県・ライオンズクラブ・大学の3者が連携し、大学生が小学生に対して薬物乱用防止教室の講師となって活動している広島県の大学生3名が参加し、それぞれの代表が、日々の活動状況、これからの取り組みについて発表しました。この中で日本から参加した、広島修道大学2年松長明音さん、比治山大学3年西沖魁晟さん、明治大学4年横路萌さんは、一人ひとり入れ替わりながら、

・日本の広島は、戦争中に原爆で破壊された都市であるが戦後、市民が力を合わせ廃墟から見事復興したこと、それは社会の再出発に向かい薬物依存から回復への道筋と似ていること、薬物乱用は決して個人の問題だけでなく社会全体の問題であること

・その広島では、地元の人々が、地元の学校に通い、地元の子供たちと薬物について話し合っていること

・さらに大学生が薬物乱用防止の指導者として、年の近い子供たちに話をすることで、子供たちが親近感を感じ、より深く興味を持って話を聞いてくれること

・薬物に関する知識を持っていたことで、薬物乱用を回避できた体験談

 等を話し、最後に3名で「未来に対して責任のある若者たちが、輝かしい未来を形成するために薬物乱用をなくすという共通の目標に向かって、共に手を取り合いながら歩むことが必要である」と呼びかけました。


■プログラム5:未来へ向けたメッセージ
 まず国際麻薬統制委員会(INCB)パバディア委員長から、

 「DAPCの薬物乱用防止支援活動30周年に改めて祝意を表すと共に、次世代に向けた薬物需要削減への支援をよろしくお願いしたい。条約は各国が薬物乱用防止、早期発見、治療、教育、アフターケア、更生、社会復帰のために特別な措置をとるように求めている。薬物取締の国際間の協力体制としての地域会議は存在し、具体的な結果につながっているが、予防、治療などについては議論する場がない。今こそ、皆で話し合う国際的な場を設けるべきである。」

 とのメッセージが発せられた。続いて厚生労働省の佐藤課長からは、

 「薬物乱用は極めて深刻な社会問題となっている。薬物に手を出させないことが極めて重要であり、皆の理解と協力が欠かせない。そのためには特に若者が薬物乱用の有害性を理解するための教育、支援活動が非常に効果的である。」

 とのメッセージが発せられました。


 最後に、DAPC藤野理事長から、「 このサイド・イベントを機に、私たちは、予防や早期発見、社会復帰に関する実践的で革新的なアイデアを議論するための非公式なフォーラムを設立し、互いに協力できるようにするということを提案したい。」との閉会の挨拶があり、当サイド・イベントは盛況のうちに終了しました。

       
〇フライヤー(PDF)
  国連麻薬委員会とは

国連経済社会理事会の機能委員会の一つであり53か国のメンバー国により構成されている。機能は麻薬に関する諸条約の履行の監視、関連条約による麻薬等のの統制に関するあらゆる事項について国連経済社会理事会に助言すること、必要に応じて薬物統制を強化する目的の勧告及び条約案の作成を行う等、いわば麻薬等の統制に関する実質的な意思決定の中心機関である。 同委員会では、世界の薬物乱用状況の考察、それに対する世界行動計画の実施、国際条約の実施・改正等について協議、検討がなされてる。

詳しくはこちら(外務省HP) 


【イベント関連情報】

〇国連薬物・犯罪事務所(UNODC)ワーリー事務局長来日 令和4年7月27日
外務省内国際会議室において国連薬物・犯罪事務所(UNODC)ワーリー事務局長と(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センター(DAPC)藤野理事長及び在ウィーン国際機関日本政府代表部 引原特命全権大使、並びにそれぞれの担当メンバーが加わり、意見交換会が行われました。


〇岸田総理表敬訪問 令和5年3月7日
DAPC 藤野理事長、日本ライオンズ 村木理事長、及び今回日本の薬物乱用防止活動の紹介とメッセージを呼びかけるウィーンで開催される国連記念イベントに出席する大学生3名とそれをサポートする広島フェニックスライオンズクラブのメンバーが岸田内閣総理大臣を表敬訪問。岸田総理から励ましのお言葉をいただきました。


UNODCでの国連支援募金の贈呈式
・ウイーンのUNODC(国連薬物犯罪事務所)にて行われた、DAPC 藤野理事長、UNODCワーリー事務局長との約定書署名と贈呈式の模様です

■UNODC REPORT(UMODCのホームページで紹介された記事になります)※UNODC HPへリンクします
March 14th 2023
HIGH-LEVEL EVENT AT 66TH CND: MARKING THE 30TH YEAR ANNIVERSARY OF DAPC’S FUNDRAISING EFFORTS ON SUPPORTING GLOBAL DRUG USE PREVENTION EFFORTS

March 8th 2023
JOIN THE CELEBRATIONS: DAPC'S 30TH ANNIVERSARY IN SUPPORTING GLOBAL DRUG PREVENTION ACTIVITIES!

March 13th to 15th 2023
YOUTH FORUM 2023

HIGH-LEVEL EVENT AT 66TH CND "English"
HIGH-LEVEL EVENT AT 66TH CND "中文"

ページTOPへ▲